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Bipolar disorder
双極性障害とは、「躁状態または軽躁状態」と「うつ状態」を繰り返す気分障害に分類される精神疾患です。
躁状態または軽躁状態では、気分の高揚、活動性の増加、一日中動いていても疲れを感じないなどの症状が出ます。うつ状態では、気分の低下、やる気が起きない、一日を通して体のだるさを感じるなどの症状が出ます。以前は主に躁うつ病と呼ばれていましたが、躁状態または軽躁状態とうつ状態の両極端な症状を繰り返すことから、双極性障害と呼ばれるようになりました。
双極性障害には、躁状態の程度によって2つにタイプに分類されています。
家庭や仕事に重大な支障をきたす激しい躁状態が起こる「双極Ⅰ型障害」、本人も周囲の人もそれほど困らない程度の軽躁状態が起こる「双極Ⅱ型障害」です。
家庭や仕事に重大な支障をきたす激しい躁状態が起こる。
たとえば、全財産を失うほど散財したり、夜も眠らずに活動する、誰にでも止まらずに話し続ける、話しを遮られると大声で怒る、などの突飛な行動を引き起こします。
Ⅰ型と比べて軽躁状態とうつ状態を繰り返します。入院するほどではないものの、日常生活や人間関係において支障が出る場合があります。
双極性障害の原因は明らかになっていませんが、性格や過労、身体疾患、社会的要因などによるストレスが加わり発症するとされています。
また遺伝的要因の影響が大きいとされており、双極性障害を発症した一卵性双生児(遺伝素質が同じ)の一致率が高いという研究データもあります。
双極性障害になりやすいタイプにはいくつかのパターンがあることが報告されており、中でも有名なのは、1921年にドイツの精神科医クレッチマーが、人間の体型を4つのタイプ(1.痩せ型、2.肥満型、3.筋骨型、4.発育異常型)に分類し、双極性障害は肥満型に多く、性格は循環気質であるとしたことです。
循環気質には
などがあり、中には陽気で快活な人付き合いの良い型と、孤独で引っ込み思案の型があるとしています。しかし、双極性障害の病前人格には、循環気質のほかに、思い込みが激しく、頭の切り替えが難しい等の執着性格が重要であることが、下田光造(1950年)によって指摘されています。
双極性障害の治療の中心は、「薬物療法」と「心理社会的療法」です。
双極性障害の治療における薬物療法は、躁状態やうつ状態を改善し症状を安定させるために必須の方法です。 薬物治療には主に気分安定薬と抗精神病薬があり、これらの薬は躁状態やうつ状態の治療および再発予防にも効果があります。この病気は再発を繰り返しやすく、症状が落ち着いたとしても、服薬を止めてしまったり適切な治療を行わなかったりすると再発の可能性が高まります。正しく服薬を継続することで症状を安定させ続け、症状をコントロールしながら社会復帰を目指した治療を行う必要があります。
心理教育として、病気やお薬の特性などを理解し自分自身の状態と向き合うことを意識付けます。そうすることで、再発の予兆を自身で把握し、適切に対処することが可能となります。
また、うつ状態のときに陥ってしまう否定的な思考のクセを自覚し、客観的かつ合理的な考え方ができるような練習を行います。
さらに、十分な睡眠をとることで生活リズムの乱れを改善し、規則正しい生活スタイルの確立を目指します。
双極性障害で繰り返される躁状態の期間とうつ状態の期間を比較すると、うつ状態の期間のほうが長い場合がほとんどです。
本人は躁状態や軽躁状態の自覚がない場合が多いので、多くの患者さんはうつ状態になった時に受診されますが、この際に以前の躁状態や軽躁状態のことを医師にうまく伝えられない場合、治療が進まないことがあります。このようなケースで双極性障害が見逃されていることも少なくありません。
双極性障害は、うつ状態では死にたくなるなど症状によって生命の危機をもたらす一方、躁状態ではその言動の結果によって社会的生命を脅かす重大な疾患であると認識されています。双極性障害は決して珍しい病気ではありません。病気の再発を減少させるためにも、予防と治療にとって一番大事なのは「病気であることを自覚すること」です。
双極性障害は精神的ストレスによって大きく左右される病気です。患者さん本人と家族が十分に病気を理解することが治療につながります。
薬物療法と心理社会的治療を組み合わせて治療することが効果的です。
双極性障害を抱えた方が社会生活を送る際に不都合が生じないように、リボンでは個人の特性に合わせた支援を行っています。
双極性障害では、最初の病相(うつ状態あるいは躁状態)から、次の病相まで5年ほどの間隔があります。躁やうつが治まっている期間は何の症状もなく健全な状態になりますが、この期間に薬を飲んで治療を続けないと、繰り返し躁状態やうつ状態が再発することがあります。
また、躁状態とうつ状態の病相の間隔が短くなる可能性が高くなり、急速交代型(年間に4回以上病相が変わること)になるリスクもあります。急速交代型に近づくと薬も効きにくくなります。
リボンではそうした双極性障害の特性を十分に理解し、医療機関と連携して個人の症状の状態に合わせた支援を行います。
就労に関しては次のような施設でサポートを受けることができます。
上記の施設では、「働きたい」希望のある方への求職情報の提供だけでなく、仕事に就く自信が無い方や仕事を続けられるか不安な方に対して就労のための訓練や職場実習を行っています。落ち着いて就職活動を進めていく上で必要な生活面での支援もしてくれます。
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